2024年の第二回ポジティヴヘルス研修は4月/2日間の国内研修の後 5月20~24日のオランダでの視察・研修となりました。オランダで開催された研修の3日目は5月23日にユトレヒト市内で開催され、 無事15名全員が修了証を手にしました。
今回の参加者は、医師、看護師、 リハビリスタッフ、医学生など医療関係職の割合は多かったですが、 そのフィールドは非常に多岐に渡りました。地域医療の現場を持つメンバーはもちろん、 大学病院や公衆衛生の研究者などもおり 議論が深まっただけでなく、今後の国内の医療業界への発信にも多面性を持たせることができると期待しています。医療職以外では、 社会保険労務士、 フリーのソーシャルワーカー、 建築家の参加があり、それぞれの立場や視点から情報交換できたことでより深まることとなりました。実際の現地視察でも、建築やまちづくり、社会制度とポジティヴヘルスの関係に触れる機会もあり、 それによりポジティヴヘルスが医療現場で対個人で活用されるだけでなく、 コミュニティづくりや社会全体にも影響を持つことができると体感することができました。
オランダ国内の現地視察・コーディネートをしてくださった、『オランダ発ポジティヴヘルス 地域包括ケアの未来を拓く(2018 日本評論社) 』『暮らしに広がるポジティヴヘルス オランダ発・レジリエントな健康のかたち(2023 日本評論社)』著者シャボットあかねさんより、「オランダではここ数年で一気に、 クリニックで個人に利用する世界観から、 地域づくりやコミュニティ形成に活用されるシーンが非常に増えている」 と仰っており、 「まちづくり」 という視点でポジティヴヘルスを学ぶ機会を持つことも重要ではないか、という新しい気づきも得ました。
当初のスケジュールにはありませんでしたが、 ポジティヴヘルスの提唱者Dr. Huberが1時間ほどツアー中にお顔を見せてくださり、 参加者は皆とても感激していました。
また今回の視察ツアー中に、 PHi(ポジティヴヘルスインターナショナル)の代表のDr.Karolienとは、 来年にも同様の研修ツアーを開催することを約束することができ、 さらにポジティヴヘルスを日本で広めていくためにあらゆる連携をしていくことについても話し合うことができました。
ツアー終了して間もない 6月に開催された「日本プライマリケア連合学会」 では、ポジティヴヘルスに関するシンポジウムを開催し、全国からプライマリケア医療関係者が150人程度聴講され、関心の高さを感じました。引き続き、 日本国内におけるポジティヴヘルスの拡散に注力していきたいと思います。
2024.10 ポジティヴヘルスジャパン事務局一同
Comments